理研リングサイクロトロン

磁場の中で円運動をするイオンを、運動の周期と同期した高 周波電場で繰り返し加速し,高速のイオンビームを得る装置が サイクロトロンです。これは、昭和4年(l929年)にE.O.ロー レンスによって発明されました。l960年代にはいると、サイク ロトロン方式で比較的高いエネルギーのイオンビームを得るた めに、世界各地でAVF(Azimuthally Varying Field,周回変動 磁場型)サイクロトロンが多数建設されました。このサイクロ トロンは、加速途中でのイオンビームの収束力を強くするため に、円周方向の磁場に強弱の変化をもたせたものです。

リングサイクロトロンは、磁場を発生させる電磁石を一体では なく、円周に分割配置することで磁楊の変化を大きくし、さら に強力な収束力をうみだしています。これよってイオンを一 層高いエネルギーまで加速できるようになりました。 理研のリングサイクロトロンは、重さ約530トンの扇型の電磁 石4基と高周波共振器2基で構成され、全体の大きさは、高さ 6メートル、直径約13メートルという重イオン加速用としては 世界最大のものです。このことは、加速軌道の分離に優れ、加 速ビームの取り出しを容易にし,;取り出されたビームの性質(エ ネルギー精度、時間分解能など)をよいものにしてしてます。 加速されたイオンビームは、ビーム分配システムによって各 実験装置に導かれ、様々な研究に利用されます。加速システム はすべて連転制御室からの指令により計算機によって制御され、 迅速な調整と安定したビームの供給が効率よく行なわれます。

加速した粒子とエネルギー一覧表

リングサイクロトロンの性能表

入射
	type               45 deg. against the medium plane

主電磁石
	K-value           540 MeV
	Sector Magnets      4 sector
	Sector Angle       50 deg.
	Pole Gap            8 cm
	Max. Flux Density   1.67 Tesla
	Injection Radius    0.89 m on the average
	Extraction Radius   3.56 m on the average
	Trim Coils         26 pairs per sector magnet
	Total Weight    2,100 tons

加速システム
        RF Amp. final tube  RS2042SK tetrode (Siemens)
        RF output power    300 kW(CW) for each Amp.
	Resonator          Lambda/2 type, two sets
	Dee angle          23.5 deg
	Freqeuncy Range    18-45 MHz
	Max. Dee Voltae	   275 KV
	Harmonic No.      9,10,11 for RILAC injection,
			     5    for AVF injection

サイズ
	Diameter         12.6 m
	Hight             6.0 m

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最終更新 1997年1月22日 ichiahra@rikaxp.riken.go.jp